飲食店とインターネット

相続手続きと遺言書作成専門の行政書士奥本雅史事務所の奥本です。

私はかれこれ28年ほど飲食業に携わっています。その内の15年間は自分で飲食店を経営してきました。

そしてこの15年間はインターネットの普及拡大の時期と完全に重なっています。

チラシや雑誌、グルメ本などへの掲載という紙媒体が飲食店広告の主流だった時代からインターネットによる広告が全盛という現在に至るまでには、ほんの短い期間で大きく急激に変化を遂げていった歴史がありました。

今回は飲食店の集客ツールとしてのインターネットの変遷について書いてみたいと思います。

いまや携帯電話はもちろん家電や自動車などあらゆるものがインターネットで繋がっていますが、私が飲食店を独立開業した2005年頃はインターネットといえば主にパソコンで利用するもので、まだまだ一部の限られた人にしか使えないというようなものでした。

またパソコンがそれほど一般家庭に普及していなかったため『インターネットは会社でする』という方が多かったのです。さらに今なら飲食店を探すときには「食べログ」か「ホットペッパーグルメ」だと思いますが、当時はなんと【ぐるなび】一強の時代でした。

ですので、「ぐるなび」にさえ載せておけば県外の企業からもどんどん会社関係の飲み会や宴会の予約が入ってきました。

また検索サイトといえば「Yahoo!」がメインでしたので「Yahoo!」に載せてもらう対策をすることが自社サイトの宣伝にとって最も効果的でした。

その後、パソコンが一般家庭に普及し始めるとグルメサイトは乱立時代に突入し「Yahoo!グルメ」や「グルメWalker」など多数のグルメサイトがしのぎを削り合うようになります。この頃になると「ぐるなび」の優位性も揺らぎはじめ、多数のサイトへ広告を出さなければ効果が出なくなりました。

その後「食べログ」の時代に突入します。それまでグルメサイトはあくまでも店側からの情報発信ツールでしたが、「食べログ」はユーザーのレビューがメインというこれまでない形のサイトでした。個人的な感想ですが、「食べログ」の登場により飲食店の味のレベルは飛躍的にアップしたと思います。店の悪評が今までに経験したことのないスピードで広がっていくので、まったく気を抜くことができなくなったからです。

そして2010年代にはスマートフォンが普及し始めます。これによりインターネットを利用する人は爆発的に増えました。検索サイトの本流も「google」へと変わり従来のSEO(検索エンジン最適化)対策がまったく通用しなくなりました。この頃、フリーペーパーからインターネットに進出してきた「ホットペッパー」がグルメサイトの検索上位となり、必然「ホットペッパー」に載せなければ客数が伸びないという事態となりました。

そして現在ではSNSの知り合いからの口コミも重要視されるようになってきており、お客様の情報収集の手段はますます多様化の一途を辿っています。

インターネットの急速な進化は、日々目まぐるしく状況を変え、飲食店にとっては対応が本当に大変な時代です。

また何かお役に立ちそうな情報がありましたら、このブログで発信していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。